2010年3月8日月曜日

モールス信号は言葉を符号化した画期的な発明だったんだなぁ

ふとしたきっかけでモールス信号について調べているが、知っているようで、知らなかったことが多い。

まず、モールス信号は、遠距離通信を実現する画期的な発明だったということ。

三谷末治・古藤泰美共著「旗と船舶通信」より
木板、鐘、太鼓を鳴らす、のろしをあげる、のろしの色や上げ方を工夫したり、旗の色を変えたり、手旗の振り方を工夫したり。人類は太古から、遠距離でも警報や合図などの情報を送ることができる方法を考えてきた。

・・・・1793年、フランス人が腕木信号法(セマホア信号)を発明。初めて文字や数字を符号に変えて文章を完全に送ることに成功。

・・・・1837年、アメリカのモールス(Samuel Finley Bresse Morse)がモールス信号機を発明。短音(トン)と長音(ツー)を組み合わせた符号で文字や数字を表す。長音は短音の3倍の長さ。文字と文字の間隔は3短音、語と語の間隔は7短音。音響や灯火の点滅による通信にも用いられる。
インターネット上でメールやツイートするのが当たり前の現状だが、ルーツをたどっていくと、モールス信号こそ遠距離通信の元祖だったのだ、ということを発見。

また、モールスさんがモールス信号を発明した1837年。その頃の日本といえば、天保の大飢饉が全国に広がり、飢饉に対する幕府の無策に憤って大塩平八郎さんが乱を起こしていた頃だ。隔世の感あり。

さらに、モールスさんがモールス信号を発明するときに支援した人物で、電磁誘導を発見したジョセフ・ヘンリーさんが凄い。

ヘンリーさんは多くの発明を行ったようだが、科学の発展には個人の利益を優先すべきではないとする信条から一切特許化せず、彼の成果をもとに他の人間が製品化することを大いに援助したらしい。

モールスさんがモールス信号を発明したときも、ヘンリーさんは自分が改良した電磁石と発明したリレーをモールスさんに使わせ、技術指導もしている。モールスさんはその後、モールス信号で特許を申請しているのに。ヘンリーさん、器が大きい!

モールス信号でモールスさんが特許を取ったのが1840年。日本は江戸時代。その頃、アメリカにはすでに特許のシステムがあったとは。攘夷とか言ってる場合じゃないぜよっ!

モールス信号その他の参考サイト:
みんなの知識【ちょっと便利帳】 - モールス信号(モールス符号)一覧
モールス符号 - Wikipedia

2 件のコメント :

  1. ヘンリーさん、ゴイスーですなぁ。科学の発展には特許は邪魔だと。いかにも科学者的な考え方で、科学の発展に計り知れない貢献をしてくれました。感謝。

    一方、モールスさんは特許を取ったんですね(^^); こちらはビジネスマンというところでしょうか。貢献はしてくれましたが、写真のたくさんの勲章が人となりを表している気がしますね。

    日本が江戸時代の頃、アメリカはすでにそんな事をしていたわけで。それで攘夷とは。知らないという事は怖いですね。

    今の日本にもまったく同じことが起きているかもしれません。気を付けなければ。

    返信削除
  2. ええ、本当に。アメリカの底力を感じますね。

    返信削除