日産自動車「GT-R」の開発責任者、水野和敏氏の新春大放談が日経BP上で展開されているが、特に今回の水野氏の言葉には熱があって引きこまれた。読んでいると、なんだか元気が出てくる。8ページもあって長めだが、一読の価値アリ、だ。
思わず唸ってしまう水野節が満載で記録しておきたい言葉が多く、引用も多めになってしまう・・・。
人のために尽くせるのがプロ。自分のために楽しむのは趣味。これははっきりしておきたい。自分のために楽しむんだったら自分でカネを払えって。人を楽しませることができるから、プロとして給料をもらえるんだ。ものすごい単純。
仕事で楽しいことなんて、これっぽっちもありゃしないよ。仕事は辛くて苦しくて当たり前。本当に苦しい。でもそれでいいんだ。この苦しさが、いつかお客さんの笑顔になって絶対に返ってくると信じているから。だから今は、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、悩みに悩んで良いクルマを作るぞ、と自分に言い聞かせて仕事に当たれるんだ。
その辛くて苦しい分に対して給料をもらうんじゃない。喜んでくれるお客さんの顔と、払ってくれる対価こそが仕事の成果なんだよ。そんな単純なことすらみんな見誤って、仕事はエンジョイしましょうなんてさ。その行きつくところはニートとフリーターじゃない。
ごくたまに、仕事をしていて、シンドイなあと思うことがある。
私は就職活動をしたことがない。
最初から、自分で起業して、自分が作りたいサービス、システムを提供していくことで、社会に貢献していこうと決めていたからだ。つまり、自分で選んだ仕事であり、職業だ。
だが、思うように開発が進まなかったりすると、難しいなあ、シンドイなあという気持ちが沸き上がってくる。
自分で選んだ道なのに、こんな気持が湧いてくるなんて、なんて贅沢なんだと思ったり、自分甘いよ、と叱咤したり。
でも、水野氏の発言を聞いていると、自分で選んだ仕事であろうがなかろうが、全て、仕事という仕事は、辛くて苦しくて当たり前なのだと。100%例外なく、そうなのだと感じる。
たまたま自分がやりたい仕事を選択できたとしても、逆に、選択できなかったとしても、それはスタートの違いでしかない。なんらかの仕事についた限りは、世の中に存在する仕事は、みな苦しく辛いものだと大観すべし。楽する、エンジョイする、という概念は捨て去るべし、ということですな。
では、何のために?
何のためにそんな辛くて苦しい仕事をするのか、働くのかというと、これをやれば必ずお客さんが喜んでくれるという信念、そして対価だろう。
Rhymester曰く、「1 for the money, 2 for the show」と同じだ。
水野氏の言葉のおかげで、自分の迷いをバッサリ切り捨ててもらったように感じる。
「仕事は辛くて苦しくて当たり前」その通りだと思います。
返信削除改善や試行錯誤をするのに辛くないはずないし、苦しくないはずないですから。逆に辛くも苦しくもないなら、本当に改善しているのか、試行錯誤しているのか、あやしいもんです。
確かにソフトウェア開発は辛くて苦しいと思います。ただ自分の場合、辛くて苦しくても、楽しくないわけじゃないです。ただただ辛くて苦しいだけなら、やっぱり続かないでしょう。
ある仕事に対して辛くて苦しい中にも楽しさを見つけられるかどうかが、天職もしくは適職ということなんだろうなと思いました。