二つの国の現場を歩いて見て得た一つの教訓は、「その国がこれから発展するかどうかは、若者が本を読んでいるかどうかを見れば分かる」。
ベトナムの首都ホーチミンを訪れたのは真夏の一番暑い時期でした。お昼時になると、みんなお店や家に引っ込んでしまう。しーんと静まり返っている。どうせ昼寝でもしているのだろうとお店の裏を覗いたら、違いました。
木陰で店番の若者が一心不乱に本を読んでいる。1店だけじゃない。それぞれの店の若者たちがみんな、昼休みを利用して読書にいそしんでいる。「すごいな、これは」と思いました。
さらにその後、市街の大きな本屋に立ち寄ってみました。(中略)目の前で万引きした若者が捕まって大騒ぎになっていました。彼が何を万引きしたか?
英語の本なんです。お金はなくても勉強したくて万引きしたわけです。万引きはもちろんほめられる行為ではありませんが、そこまで本を読んで知識を吸収したい、というベトナムの若者たちの知的渇望を図らずも目の当たりにしたわけです。
現在のベトナムの経済成長は目をみはるものがある。そのバックボーンには、池上氏が実際に目にされた読書熱心な姿に見られるように、強い向上心、向学心、真面目さ、があるのだろう。
自分も常に知識を吸収することを怠らないようにしたい。
池上氏は日本の国際貢献の場を多く取材している。「日本の国際貢献はカネだけ」というのは大いなる誤解である、と語っている。
今回、国際貢献の現場を取材して、専門家にお会いして、現地の人々の声を聞いて、改めて思ったのは、「日本の国際貢献はカネだけ」というのは大いなる誤解である、ということです。
むしろ実態は逆の場合が多い。少なくとも私が取材したスーダンやウガンダでは、日本の国際貢献はきっちり現地で機能していました。
それでは、なぜ日本の国際貢献が目立たないのか? 欧米の活動のように華々しく報道されないのか? それは皮肉にも、日本の国際貢献のやり方が、最も現地にカスタマイズされた「理想的な方法」で進められているからです。
私がODAについて調べた時も、ODAが始まった経緯も含めて、利権構造などを書いた書籍は多かった。池上氏が指摘しているように「日本は金を(金だけを)出す」といったイメージを自然と持ってしまうような記述も多かった。
しかし、彼が現場を見て感じたのは、日本の支援が現地に即した形で行われていること、人材も投与していること、だったようだ。
自分が主権者として何かを正確に判断するには、テレビや新聞などでのニュース報道を見るだけでは情報が足りないということを、最近、強く感じる。
インディペンデントな個人や団体が発信しているネット上のコンテンツも含めて、積極的に自分で情報を探して取りに行かないといけない。
でもそれ以上に確かなことは、自分の目で見て耳で聞くことだろう。
現場へ行ってみることも、出来るだけ、心がけよう。
確かに、一番確かな情報は自分の目と耳で感じた情報です。
返信削除ただ、普通の人は忙しいわけです。
そこを助けてくれるのが、報道・ジャーナリズムだと思うのです。
今こそ頼りにしたいものですが・・・