Android 4.0(Ice Cream Sandwich) を搭載した「Galaxy Nexus」の発表が、香港で行われた。
デベロッパーサイトに掲載されたリリースノート詳細。
Android 4.0 Platform Highlights | Android Developers
重要なのは、スマートフォン用2.x系とタブレット用3.x系と別れていたOSがマージされ、4.x系となったこと。物理ボタンが無くてもスクリーン上のタッチ操作で全てコントロールできるように、3.x系で導入されたソフトウエアボタンが継承されている。
画面下には「戻る」「ホーム」「履歴」が表示される。
履歴はサムネイルでリスト表示されるので分かりやすい。
履歴はアプリだけでなく、通知など他の標準アプリでも使われる。不要な履歴はサムネールを左右にスワイプして消せる。
以下、主な機能をざっと挙げてみる。
ソーシャル、共有系
ソーシャルグループや連絡先が統合され、システム全体でアクセスできるようになった。例えば、Gmailでメールアドレスに表示されている人物の顔をタップすると、TwitterやFacebook、SMS、通話など、その人物に接続可能な全てのサービス一覧が表示される。
「People」アプリでは、プロフィール画像、電話番号、住所、現在のステータス、その他ソーシャルネットワークへ接続できるボタンを搭載。ユーザー自身の連絡先は「Me」プロファイルに保存され、アプリなどで簡単に共有できる。
Android 4.0端末同士を背中合わせにくっつけて画面をタップすると、一方の端末が持つデータを転送、共有できる。Webページや地図の場所、連絡先、音楽、動画、アプリ(Android MarketのURL)など。
データを転送すべきアプリが存在しなかった場合は、自動的にAndroid Marketを開いてダウンロードすべきアプリを表示する。
インターネットに繋がっていなくても端末間で写真や動画など各種データを送受信できるようになった。
カメラ系
- 顔認識に対応した
- タップして焦点を合わせられるようになった
- 動画撮影時にスムーズにズームできるようになった
- 簡単にパノラマ撮影ができるようになった
- 連続撮影ができるようになった
- フォトギャラリーアプリにトリミングや回転、赤目処理などの編集機能などが追加された
ホーム画面系
- ウィジェットがリサイズできるようになった
- アプリやショートカットのアイコン同士をドラッグアンドドロップで重ねてフォルダとしてグループ化できるようになった
- ホーム画面のシステムバーに「お気に入りトレイ」が追加された
お気に入りトレイにはフォルダも追加可能。ホーム画面をスクロールさせても画面下に常駐するので解像度の低い端末でもよく使うアプリなどに楽にアクセスできる。
ロック画面系
- 右へスワイプでロック解除、左へスワイプでカメラ起動ができるようになった
- 顔認識技術を使ってロックが解除できるようになった
- ロックを解除せずに通知情報をプルダウンして表示できるようになった
ブラウザ系
- ウェブページのタブ切り替えが縦一列に大きく表示されるようになった
- PC版のGoogle Chromeのブックマークと同期するようになった
- ページを保存しておいてオフラインで閲覧できるようになった
- サイトごとにモバイル版とPC版のどちらを表示するかを指定できるようになった
英語版オンリー
- 入力した単語をスペルチェックできるようになった
- 間違いの訂正候補を表示するようになった
- 音声によるテキスト入力ができるようになり、長文も息継ぎしながら入力できるようになった
その他
- 高解像度スクリーン向けにデザインされた新しいフォントを作った
- スクリーンキャプチャがOSレベルで標準で可能になった
- プリインストールアプリを無効化できるようになった
- Health Device Profile(HDP)プロファイルをサポートした
フィットネス機器や医療機器でHDPに対応したものがあれば連携して利用できるようになった。
- アプリがネットワークを介してやり取りしているデータ使用量を計測できるようになった
場合によっては使用量にリミットをかけたり、事前に警告メッセージを表示するなど管理可能。データ定額が廃止されはじめているアメリカでは必需品かも。
- パフォーマンスの向上
同一のハードウェア上でAndroid 2.3と比較した場合、V8ベンチマークでは220%以上、SunSpider 9.1のJavaScriptベンチマークでは35%以上向上した。
以上。
個人的には、 Chromeのブックマーク同期、スクリーンキャプチャの標準サポート、プリインストールアプリの無効化などが便利そうだな、と。
でもね、このように機能が目白押しなのだが、それらがいかに私たちのデジタルライフスタイルを変えるのか、という提案が、ない。「オー」とか「ワクワク」を感じないんだなあ。
ちなみに、Galaxy Nexusの紹介映像「Introducing Galaxy Nexus. Simple, beautiful, beyond smart」
対照的に、iOS5の紹介映像、大阪弁バージョン。オリジナルは
アップルのサイトで見られる。
開発者の顔が見える。しかも自信満々で時に笑顔。
こういった作り手の「熱」のようなものが、ユーザーやデベロッパーの想像力をかきたてて、「オー」って思わせたり、ワクワクさせたりするんだろう。
自分も一人の作り手として、いかに伝えるか、ということの重要性を最近ひしひしと感じる。