独立行政法人の新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO) と北海道大学が、レアアースを使わずに、現在と同じ馬力が出せるモーターを開発したそうだ。素晴らしい!
HVや電気自動車(EV)に搭載されるモーターを回転させる磁石には現在、レアアースの一種であるネオジウムが使用されている。NEDOなどは今回、レアアースを使わず、安価で入手しやすく、酸化鉄を主成分とするフェライト磁石を採用。フェライト磁石はネオジウムを使った場合よりも磁力で劣るため、高い馬力が出ない弱点があったが、モーターの構造を根本的に変えることで同等の馬力を出せるようにした。
レアアースは中国によって事実上禁輸状態にある。中国だからというのではなく、ひとつの国に過剰に依存することがいかに危ういかを、中国の対応はよく教えてくれた。
今回のNEDOと北大の開発のように、レアアースに依存しなくても製造できる環境が整えば、日本はより自由に自国の意思決定が行えるようになる。
また、省資源でエコカーが製造できるようになると、値段も下がるだろうし、普及も広まるだろう。素晴らしい。
さらに、開発のポイントがモーターの構造を根本的に変えることにあったとは、とてもイノベーティブだ。
半年ほど前に米経済誌フォーブスが発表した「2010年の世界有力企業番付」。あくまでもフォーブス誌だけの見方だが、100位以内の日本勢は前年の11社から3社へ大幅に減っていた。
モノづくり関連ニュース@2ch:【ランキング】『世界企業番付』(米誌Forbes)、日本勢ではNTTの41位が最高、トヨタは3位から360位に [04/22] - livedoor Blog(ブログ)
私は日本の製造業は強いというイメージを持っていたが、100位以内に入っている日本の製造業の企業はホンダだけだった。日本は製造業が強いのか、モノづくりの国なのか、少し疑問を持っていた。
しかし今回のNEDOと北大の開発は、日本の中には技術力も問題を解決していく発想力もまだまだあるぞ、と示してくれたように感じる。自信と勇気を与えてくれた彼らの努力に感謝したい。
調べてみると、イギリスの経済週刊誌団体であるEconomist Intelligence Unit(EIG) が2009年4月に作成した世界の”イノベーション力”ランキングでは、日本はトップだ。しかも2002年のデータからトップだ。
A new ranking of the world's most innovative countries(PDF)
新しい技術の発明だけではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造する力も日本は持っているぞ、とこのデータは言っている。
ひとりひとりが今できる範囲の中で、日々イノベーティブに活動すればいいのだ。日本の潜在パワーはまだまだ秘められている。
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